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順応性
2021年11月19日

今でこそ僕はゴールド免許だが、若い頃はスピード違反や駐車違反それに酒気帯び運転など多くの交通違反で3度の免停処分を受け多額の罰金を支払った。3度の免停のうち2度は30日の短期の免停で、自動車教習場で1日講習を受ければ翌日から免停は解除されたが、酒気帯び運転で捕まった時は180日の長期の免停となった。180日の長期免停は自動車教習所場で3日間の講習を受け、講習最終日に行われるテストをクリアすれば免停期間は半分の90日が短縮される。僕は無事にテストをクリアし90日間の免停処分になった。

当時は田舎の実家で暮らしていたので車が無ければ随分不便だった。免許習得後は近所での買物はもちろん、車で15分ほど離れた大学の通学にも車を利用していたが、免停後は全ての移動手段が徒歩や自転車もしくは公共交通で移動しなければならず窮屈に感じられた。
しかしその窮屈な環境にも1カ月ほどすると徐々に慣れ徒歩や自転車、公共交通での移動が当り前のようになり大学に自転車で通うこともしばしば。

ところで今年7月から9月までのGDPは前の3か月と比べ実質の伸び率が年率に換算して3.0%と2期ぶりのマイナスになった。この間に出された緊急事態宣言の影響でGDPの半分以上を占める「個人消費」が落ち込んだことが主な要因だと言う。しかし今後は個人消費の回復傾向が見込まれ、日本経済は回復基調だと楽観的な見方が優勢だ。
コロナ禍以前、僕は毎日事務所に出社し週に2度ほど取引先の方などと会食をしていたが、コロナウィルスの流行で昨年の3月以降、在宅勤務で殆ど外食もしていない。こんなに長く巣ごもり生活をしていると、当初は窮屈に思えていたがいつの間にか巣ごもり生活に順応し、今の生活が当然のように感じられる。逆に以前のように外出することが億劫にも感じ外食費用すらもったいないとまで思ってしまう。

人は環境が著しく変化しても時間とともにその環境にも慣れ、その環境が自然に感じられる順応性を持っている。新型コロナウィルスの影響で自由で当たり前だった生活は窮屈な生活へと大きく変化したが、今ではコロナ禍の巣ごもり生活が当り前になった人も多い。果たして直ぐにコロナ以前の生活にスムーズに戻ることはできるのだろうか?
新型コロナウィルスで失った個人消費の回復には失った時間と同じだけの時間が必要で景気回復にはまだまだ時間が掛るのではないだろうか。


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