一枚の写真
2013年02月22日
祖母が亡くなった。
祖母の年齢は103歳で大往生だった。お通夜から多くの親戚が集まり久しぶりに思い出話や近況報告で盛り上がった。祖母は晩年、酷い痴呆症を患い誰の顔も判断することができず、また私は随分祖母と会っていなかったこともあり、葬儀では然程悲しみを感じないだろうと思いながら翌日葬儀に参列した。
最近の葬儀では故人の古い写真を編集し映像として流すことがようで、祖母の葬儀でも祖母の写真を編集した映像が音楽と共に流れた。映像は10数枚の写真を編集したものだったが、その中の古い一枚のモノクロ写真が私にとって、とても印象深いものだった。
恐らく戦後数年が経った時期に、近所の方にでも撮ってもらったものだろうか。背景は殺風景で屋外で撮影された日常の家族写真だった。既に他界した祖父と祖母は若く、少年、少女の頃の私の父、叔父、叔母も一緒だ。そこには全く豊かさなど無く、祖父母も身なりの良い服は着ておらず、少年だった父たち子供も下着姿だった。しかし祖父母は親として凛として逞しく、子供たちはワンパクそうに写っていた。
終戦後、物が無く日本中が貧しい時代に、家族がひとつになり逞しく生きている姿がそこにあった。そして誰もが懸命に生きた「昭和の時代」がそこにあった。
「時代は変わった」と簡単に一言で片付けることはできるが、変わったのは時代ではなく、今を生きる私たち現代人なのかもしれない。仮に時代が大きく変わったとしても、決して変わらないものがある。それは永遠に続く家族の絆なのだろう。
そう考えると目頭が熱くなってきた。
written by マックス