以前、福岡に単身赴任し一緒に仕事をしていた取引先の方から連絡を貰った。彼は数年前に名古屋の本社に戻ったが、今月末に定年を迎え退職するため挨拶で来福すると言う。そこで一緒に酒を飲みながら昼食を取ることに。
店に入り生ビールを注文すると、新型コロナウィルスの感染拡大でまん延防等重点措置が福岡で発令されておりアルコールは提供できないと言われたが、交渉すると意外にも簡単にお酒を提供してくれたので、冷えた生ビールで乾杯することができた。
彼に定年後、どうするのか尋ねると、現在働いている会社に残り雇用を延長することもできたそうだが、延長すると契約社員になり給与が随分下がるので、退職し親類の食品問屋に再就職すると言う。
「へ~、全く畑違いの業界ですね?」
「うん。この歳で丁稚奉公やな。これからの広告業界は不透明やし、ネット広告など変化が速くてこの歳ではもう付いて行けんよ」
「確かに変化が速いですよね…」
「子供は独り立ちしているし、家のローンも終わったんでのんびりしようかと思ったけど、毎日やることもなくボーっと暮らすとボケるんじゃないかと思って、親族が経営する会社にお世話になることにしたんよ」
「少しゆっくりすればいいんじゃないですか?」
「いや~。飲み仲間で定年してのんびりしとる奴がおるんやけど、たまに飲みに行くと、寂しいのか、人が変わったように話し出し、毎回ベロベロに酔っぱらって潰れるんだわ。そいつ見ていると、元気なうちは社会と接点を持ち働かないといかんと思ったんだわ」
定年後に何もやることがない人はボケてしまうと言うが、きっとボケる人は亭主関白で、家事は全て家族に任せ家のことは何もしない人だろう。また定年したことで燃え尽き症候群のようになり、生きる目標がなくなった人なのだろう。
定年後は人生の目標を再設定し、毎日計画的に過ごすことが必要だ。そして積極的に家事にも参加しポジティブな生活を送る必要がある。別れ際に僕は彼にこう言った。
「今までご苦労様でした。第2の人生頑張って下さいね!目標をもって毎日、ポジティブに過ごして下さい!」
彼は笑いながら軽く手を上げタクシーに乗り込んだ。
来週のブログはお休み!皆さん新型コロナと猛暑にくれづれも気を付けて下さい!