自宅近くにある学生街の商店街を久しぶりに歩いてみると、ひしめき建っていたパチンコ店の多くが閉店していた。学生の頃は数人の仲間と良くパチンコ店に出掛けていたので、ふとあの頃が懐かしく思えた。
学生の頃、僕のパチンコの勝率は50:50だったが、大きな金額を負け落ち込むこともあれば大勝ちしてびっくりする金額を手にすることもあった。仲間内で大きく勝った者は、仲間全員に旨いものをご馳走するルールがあり、大勝ちしても手元にはそう多くは残らなかった。一人暮らしをしていた友人は親からの仕送りが送られてきた日に全額パチンコで負け、一カ月の生活費の全てを使い果たし仕送りとは別に親に送ってもらっていた米だけで一カ月生活することもあった。彼は3食の食事を色んなふりかけだけで生活していたが、パチンコで勝った友人からご馳走してもらい何とか食い繋いでいた。
パチンコ店によく出掛けると面白いことに常連客や店員と親しくなる。常連客は毎日その店にいるので、店の癖や店の心理を研究しどの台の出玉が良いのかある程度予想できるようで僕らが大きく負けていると、親しくなった常連客が出玉の良い台を教えてくれた。また店員も客の勝敗をしっかり観察しており連日のように負けている客がいると、こっそりと出玉の良い台を教えてくれた。面白いものでパチンコ店も店員と常連客の間で小さなコミュニティーがあった。
最近、パチンコは若者に人気がないようで学生街にあるパチンコ店は客が少なく常連客だけでやりくりしていたようだが、新型コロナウィルスの影響で常連客も店に来なくなり閉店してしまったのだろう。パチンコ店は決して社会に必要な商売ではないが、そこで働いていたスタッフのことを思うと何とも気の毒だ。また孤独な常連客もパチンコが毎日の楽しみで、彼等にとっては生活する上で大切なコミュニティーだったが、パチンコ店が閉まったことで彼等は自宅に引きこもり孤独な生活をしているのかもしれない。
新型コロナウィルスは変異しながら感染力をさらに強めている。社会に必要な店も社会に必要でない店にも大きな損害を与えている。早く新型コロナウィルスが収束して欲しい。
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