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お袋との新生活
2020年08月28日

引越しが終わり荷物の片付けは大変だったが、住所変更手続きなど事務手続きが多く、僕は毎日慌しくしていたが、同居を始めた高齢のお袋は食後に眠くなるようで、毎食後は昼寝し悠々自適な生活を送っている。
高齢になると社会的優遇が増え、交通機関も割安の料金で乗ることができ、シルバーシートにも座ることができる。さらに自宅でも家事に追われることも減りお菓子を食べながらテレビを見て昼寝をし、まるで猫のように気ままにマイペースで生きることができる。高齢になり毎日気ままに生活しているとボケてしまうのではないかと心配してしまう。幸いにも今のところお袋はボケていないが…。

約25年ぶりにお袋と生活するが、好みの食べ物が違うので献立を考えるのも一苦労だ。お袋は基本的に魚を好み肉は牛肉以外口にしないので、僕の好物の鶏肉や豚肉料理が減ってしまった。しかもお袋は柔らかいご飯を好み僕は硬めのご飯を好むので、米の焚き方ひとつとっても大変だ。以前、お袋は硬めのご飯を食べていたが、高齢で歯の本数が減り柔らかいご飯を食べるようになったと言う。
今までトイレは出入りがスムーズだったが、お袋が一旦トイレに入ると動作が遅いため時間が掛かり、朝、僕が用を足しにトイレに駆け込もうとするとお袋がのんびり入っている。お袋は直ぐトイレから出るとトイレの中から大きな声を出すが、なかなか出てこないので僕は血相を変えて我慢しながらトイレの前で待つこともしばしば。

お袋は家柄の良い家の育ちなので以前は品が良く優しかったが、高齢になって口が達者になり僕にもよく噛みついてくるようになり小言を言うようになった。僕が一言言うとお袋からは2倍、3倍の言葉が返ってくる。

「お袋は年取ってからしゃーしかねー」

僕がお袋に言うと、お袋は間髪入れずに、

「あんたもあー言えば、こう言うねー本当にうるさかねー」

お袋との生活が再び始まったが、お袋の残された時間は短いので少しでもお袋が穏やかで幸せな毎日を送れるように僕が我慢しなければならないのだろう。今回の引越で僕は書斎を確保した。お袋が煩いときは僕の逃げ場所ができたので、何かあれば僕は書斎に引き籠るつもりだ。

written by モンコ


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