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ピンチはチャンス?
2020年05月29日

新型コロナウィルスの拡大で大きく下落した株式市場は回復傾向にあるが、これは足腰の強い上昇なのなのだろうか。新型コロナウィルスの影響で世界経済は混乱し、世界経済を牽引してきたアメリカでは4月の失業率は戦後最悪の15%に上った。世界経済はこのウィルスに大きく破壊されたが、世界の中央銀行が協調し経済を立て直すため大量の公的資金を投入しているためか、投資家の心理が一旦和らいだようで株価は回復傾向にある。しかし世界恐慌時の株価は急落後、一旦は反発し5か月ほど上昇したが、その後、長期にわたって下落が続いた。

アメリカのプリンストン大学の教授が実体経済と株価の間には3つのルールがあると、ニューヨークタイムスのコラムに寄稿した。
「第一に株価は経済ではない。第二に株価は経済ではない。第三に株価は経済ではない。株価は強欲と恐怖の間の揺れによって牽引されており、それと経済成長との関連性は薄いか、存在しない」
大學の教授らしからぬ言葉だが、過去のデータからはそのことが伺える。1989年から1999年でアメリカのGDPは70%増加し、同時期のダウ工業株の平均は320%上昇し、ウィルフィッシャー1500トータルマーケットインデックスも305%上昇した。
しかし1999年から2000年のGDPは50%増加したがダウ工業株はマイナス9%でウィルフィッシャー1500トータルマーケットインデックスはマイナス16%だった。こうして見ると経済成長と株価は関連が薄いように思える。いずれにしても投資家の心理が株価に大きく関わっている。

最近の株価の上昇を見てコロナウィルスの影響はそれほど大きくなく、世界経済のダメージは小さいと楽観的に考えてはいけない。7月には今年の4月~6月の経済指標の速報が発表され、8月には国内企業の中間決算発表のラッシュを迎える。この時期の数字が今後の株価を大きく左右するだろう。また新型コロナウィルスの第二波、第三波が起こってしまうと、世界経済はまた暗闇に包まれてしまう。

今回のコロナショックをチャンスと捉えグーグルの検索では、「株の買い方」などの検索件数が増加し、証券会社では口座開設で混んでいるそうだ。しかし初心者は銘柄を絞って大きく投資するのではなく、少額で分散投資をしないと、新型コロナウィルスによる2番底が起きれば再起不能になってしまう。

written by マックス


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