実家には親父側の仏壇とお袋側の仏壇ふたつがある。親父は無宗教と言い張り、お袋はクリスチャンなので共に仏壇の処分に困っていた。そこで親と今後のことを話し合い、ふたつの仏壇を処分してもらい親父側の墓も墓仕舞いし、祖父母のお骨を納骨堂に移し永代供養をしてもらうことに。
ふたつの仏壇を処分する前に『魂抜き』という供養をしてもらうため、祖父母の墓がある寺の住職に実家に来てもらった。ひとつの仏壇にお経をあげお焼香まで約30分、ふたつの仏壇を供養するのに1時間ほど掛かった。その後、寺に移動し祖父母の墓の前でお経をあげ、最後に納骨堂で再びお経をあげた。
そこで住職に質問してみた。
「住職、仏壇を供養する『魂抜き』なんですが、仏壇に魂が入っているんですか?魂は天国に行っとるんじゃないんですか?」
「天国はキリスト教の言葉です。仏教では極楽と言います。魂は極楽と仏壇と墓にそれぞれ分かれているようなもんです」
「魂は分かれるんですか…」
「まっ、そんなところですな」
住職からは何とも適当な答えが返ってきたので僕は全く腑に落ちなかった。宗教の世界は何ともややこしい。
ひと通り供養が終わると、住職に紹介してもらった業者が仏壇を引き取りにやってきた。
「よろしくお願いします。ところでお宅は仏壇の販売店さんなんですか?」
「うちは仏壇も扱っていますが、日本人形を販売している伝統工芸品店なんです。人形の処分を頼まれると供養をして焼却するんですが、同時に仏壇の処分も頼まれるようになったんです。この仏壇も全て解体し、人形と一緒に合同供養をしたあとに焼却します」
「今日も住職が来て供養したんですが、また供養するんですか…」
「はい。ちゃんと供養させていただきます」
仏壇が運び出され、その業者の方に処分の費用を支払った。仏教の世界ではやたらと供養が多く、そのたびに費用が掛かってしまう。
「ところで魂は一体どこにおるんやろう…」
さて新型コロナウィルスの影響拡大で在宅勤務することになりました。ブログは新型コロナウィルスが落ち着くまでお休みします。皆様もお体気を付けてください!
written by モンコ