今週火曜19時頃、福岡市の中心部に近い場所で高齢のドライバーが運転する車が時速100キロを超える猛スピードで中央線をはみ出し複数の車と接触し、赤信号の交差点に突っ込む事故があった。この事故で高齢のドライバーと同乗していた方(ご夫婦)が亡くなった。事故現場の周囲には高校や中学校がある住宅地で日頃から混雑しており、事故発生時は帰宅する学生や会社員なども多く、あわや多くの犠牲者を出すところだった。
事故現場は大破した車や横転している車もあり、まるで爆発でもあったような散らかりようだった。ひょっとすると、運転していた高齢のドライバーは突然健康上のトラブルが起きたのかもしれない。
以前、高齢で癲癇を患った親父に車の運転を止め免許証を返納するよう僕は強く勧めた。
「親父は病院で癲癇と診断されたっちゃろ。危ないけん車の運転を止めんね。事故ば起こしたらどうすると?ひとり事故で自分だけが怪我するならまだよかばってん、相手のおる事故で相手に怪我ばさせたらどげんすると?大変なことになるばい!」
「車を運転せんやったら買物も行けんし、どこも行けんやないか」
親父はこう言って車の運転を止めようとはしなかった。
数か月後、癲癇の持病を持つドライバーが交通事故を起こし大きく報道された。事故は配送業務中のドライバーが癲癇による発作で運転中に失神したようで、車は暴走し事故を起こした。この事故でドライバーを含め8名が亡くなり10数名が重軽傷を負った。ドライバーの勤めていた会社はドライバーが癲癇であることを知っていたが、日常的に配送業務を行わせており、裁判で責任を問われ被害者に賠償することに。そして信用不安による経営悪化でその会社は倒産してしまった。
この事件が大きく報道されると、親父は直ぐに免許証を返納し車の運転を止めた。
つい先日も池袋で高齢のドライバーが運転する車が事故を起こし、若い親子が亡くなっている。今週、福岡で起きた高齢ドライバーは池袋の事故の報道を見て直ぐに車の運転を止め免許を返納していれば、今回のような事故は起きなかっただろう。
まさか自分が事故を起こすなんて誰も考えていないだろうが、高齢者の危険運転や交通事故は増加しており、これから日本はさらに高齢者が増えていく。国は交通法の改正などスピード感を持って対策を行わないと、危なくてやすやすと外出もできない。ネットに高齢者のドライバーによる事故のことをこう書いてあった。
「高齢者の自爆テロ」
written by ダニエル