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テレビ局が斜陽産業に
2019年05月24日

先日、某キー局の担当者が挨拶に来たので、テレビ業界に危機感を募らせていた僕は、これからのテレビ業界について尋ねみた。
現在、ネットで動画を視聴することは拡大しており、今までのテレビ局のビジネスモデルが成り立たなくなるのではないかと、彼はテレビ業界の前途を危惧していた。

そもそもテレビ局は免許制で国から電波を借り番組を放送している。国は将来、テレビ局が使用している地上波の電波を車の自動運転やスマートシティに活用したいようで、国から地上波をネットでも配信するよう要請が来ているそうだ。そして地上波のネット配信が定着した頃にテレビ局に貸していた電波を国は剥ぎ取ることになると言う。

ネットでテレビの地上波を配信することになると、テレビ局は巨大企業になったネットフリックスやアマゾンなどと真っ向から戦うことになるのだが、驚いたことにネットフリックスの制作費は日本の民放キー局5局の制作費を全て合わせた金額よりも大きく、キー局の制作する番組の質で勝ち目はないそうだ。
またキー局がネットで同時配信すると、全国でキー局の放送を終日視聴することができるのでローカル局のニーズは著しく低下してしまうことに繋がる。

広告収入から考えると、ネットでテレビ番組を視聴するために視聴者に初期登録をさせることでテレビ局は視聴者の属性を把握し、視聴番組から視聴者の趣味嗜好が分かり、それぞれの視聴者に合わせて広告を配信することが可能になると言う。しかし今の広告料金のように視聴率から弾かれたざっくりした金額ではなく、視聴者の単価に視聴者数を掛け合わせた明朗会計になり、広告収入は大きく減ってしまうそうだ。
現在のテレビ局は斜陽産業に移行してきており、後10年も持たないのではないかと彼は頭を抱えていた。そして転職するべきか本気で悩んでいた。

今までのビジネスモデルが大きく破壊され、インターネットが旧態依然のメディアを食い潰しているが、さらに数十年するとインターネットではない全く新しい技術が生まれ、現在全盛のインターネットも破壊されることになるだろう。
いずれにしても時代は常に変化しており、時代の変化に適応できない者は淘汰されていく。新聞、雑誌、ラジオそしてテレビ、今まで当たり前にあったメディアが消えていく日はそう遠くはないようだ。メディアで働いている方はいずれこう呟くだろう。
「あの頃は良かったよな~」

written by SDB-1


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