東日本大震災から8年が過ぎ、あのショッキングな出来事も記憶から少しずつ風化している。地震だけではなく、リーマンショックのような大きな経済ショックも時間の経過とともに風化してしまう。ショッキングな出来事には必ず予兆があるのだが、過去に経験したショッキングな記憶が風化してしまうと、その予兆を見逃してしまう。今年に入り大きな経済ショックの予兆を感じる。
アメリカではリーマンショックで落ち込んだ経済を立て直すため、景気対策の一環として利下げが行われたことで、個人の金利負担が減り住宅や自動車などの購入が促され、また同時にカードローンの利用も大きく伸びた。しかし数年前から景気回復に伴ってアメリカは利上げに動き、金利は上昇し家計債務が膨らんでいるという。
日本でもマイナス金利などの金融緩和で銀行の収益は著しく低下し、収益源のひとつとして銀行はカードローンを収益の柱に置いた。銀行カードローンは無担保で利用目的を問わずにお金を借りことができるため利用者は増加した。しかし昨年頃から利用者は返済能力を上回ってカードローンが利用しているようで、減少傾向にあった個人の自己破産件数が昨年は約7万3千件に上り、一昨年と比べると6.2%も増えたそうだ。
アメリカや日本だけではなく金融緩和を行ったEU諸国でも個人の債務が膨らんでおり、膨張した債務はいずれ破裂しそうだ。
不動産業界でも変化がみられる。現在、福岡でマンションは以前ほど売れていないようで、800万円キャッシュバックやモデルルームとして使用した部屋の家具や家電を全てプレゼントするなど、目を見張るような広告が目立つようになった。どうも福岡の不動産の価格は天井を付け、在庫過多になっているように感じる。そろそろ不動産価格は大きく下落するかもしれない。大都市の東京などでは不動産価格はすでに下降していると容易に想像できる。こうして世界を見渡すと大きな経済ショックが起こる兆しが見受けられる。
ところでVIX指数というものがある。米国の株式指標S&P500のオプション取引を基に算出した指数で、別名「恐怖指数」と言われる。今年初めに世界中の株価が大きく下落した時期にVIX指数は跳ね上がり、その後、少し落ち着きを取り戻している。まるで嵐の前の静けさのようだ。(ちなみにネットでVIX指数は確認できるので、興味のある方は一度調べてみてはいかが?)
春になり冬眠していた動物がそろそろ目を覚ます頃だ。僕はこれから冬眠に入ろうと考えている。ここ数年は大きな買物や大きな投資は控え様子を見ることにした。
written by マックス