「偶然じゃない。私達は、皆、自分で選んでここに来たの。偶然じゃない。運命なんかでもない。君が今までしてきた選択と、私が今までしてきた選択が、私達を会わせたの。私達は、自分の意思で出会ったんだよ。」
「君の膵臓を食べたい」のフレーズだ。
17年前の2月26日に以前勤めていた会社が突然倒産した。あれから17年も過ぎ随分と時間が経っても当時のことは鮮明に記憶している。
当時、勤めていた会社が倒産したことで、勤めいていた社員やその家族は大きな衝撃を受けた。社員数が300名ほどの会社だったので、社員とその家族を合わせると1,000人以上の人間が衝撃を受け、そして取引先まで含めると2,000人以上の人が衝撃を受けたことになるだろう。
当然、勤めていた社員は翌月から給与が無くなるので緊急事態だ。社員の中には途方に暮れる者、慌てて再就職先を探す者、将来について腰を据えて考える者…。それぞれ生活環境も異なり、それぞれが自分の将来を考えただろう。そして皆、これからの進む道に不安を抱きながら、それぞれが偶然や運命ではなく自ら歩む道を選択し、そして自分の意思で選択した道を歩きだした。
その歩んだ道が間違っていたかもしれないが、歩んでみないとその道が間違えなのかは誰も分からない。しかも歩んだ道と歩まなかった道を正確に比較することもできない。歩んだ道が間違えだったからと、時間を巻き戻して別の道を歩むこともできない。
久しぶりに当時の仲間と当時の行きつけの店に出掛け一杯やるのもいいかもしれない。そして皆にこう質問をしてみたい。
「歩んだ道は間違ってなかったや?」
逆に僕が同じ質問をされるとどう答えるだろうか?
「そうやね~。間違っとったかどうかわからんばってん、あの状況でのベストの選択やった気がする。なんせ型にはまり、群れをなすことが嫌いやし自由になりたかったけん!」
これからも僕は自分の意思で歩む道を選択しなければならない。きっと自分が選択し歩む道に正解も間違えもないのだろう。
written by モンコ