多くの人が周りの人の年収が気になるようで、先日も飲んでいる席で質問された。
「年収はどのくらいなの?」
「年収ですか…」
個人の年収は企業の決算書の損益計算書(PL)に記され1年の成績を表す。
しかし損益計算書より大切なものは貸借対照表(BS)で、貸借対照表(BS)は、過去から現在に至るまでの成績が纏められており、資産、負債、それに純資産が記されている。
年収が増えると多くの人は見栄を張り、ブランド品を身に付け新車を買い替え贅沢になるので、年収に比例して支出も増え手元にお金はそう残らない。
しかもローンを組んでまで贅沢をする人は負債が更に膨らんでしまう。
だから高額の年収よりも純資産がどのくらいあるのか、日頃より考えることが非常に大切だ。
「資産はいくらあるんですか?」
僕は一度もそう聞かれたことはない。
若い頃、ガソリンを満タンにする金も無いのに、見栄で中古のBMW7シリーズをローンで購入したことがある。
そして初回のローンの支払いが来る前に無謀運転で廃車になってしまい、その後5年間もローンの返済は続いた。
しかもボーナス払いでローンを組んでいたので、ボーナスは右から左へと廃車になったBMWのために消えていった。
その苦い経験から僕はローンを組んで物を購入することを一切しなくなり、負債を気にするようになった。
そのため未だにマイホームを購入していない。
人間も動物同様に安全な場所を確保する本能があるので、多くの人がマイホームに憧れ、ローンで簡単にマイホームを手に入れ、一国一城の主になったことを喜んでいる。
しかもローンの支払いも終えていないのに、既に自分の家だと錯覚している。
しかしローンで購入したマイホームは負債の山だ。
ローンでマイホームを購入することが間違えでも悪いわけでもないが、資産、負債、純資産のバランスをしっかり理解して購入しないと、これから人口の減る日本ではマイホームをローンで購入することは比較的リスクは高い。
年収よりも純資産を意識し、貸借対照表をしっかり理解しないと、いつまでも心に自由は訪れない。
written by ジェイク