5月に親父が入院し脳の手術を受け、術後は安定して回復に向かっていたが、肺炎を繰り返しいる。
医師によると肺炎は嚥下障害によるもので、食物や飲料を上手く食道に通すことができず、誤って気管から肺に入れてしまい肺炎を引き起こしていると言う。
そこでリハビリ専門病棟のある病院に移り、言語聴覚士(ST)からリハビリを受けることになった。
言語聴覚士(ST)は、理学療法士・作業療法士などと並ぶリハビリテーションの専門職種のひとつで、言語・コミュニケーション及び摂食嚥下機能を回復させるための療法士だ。
親父はそのリハビリ専門の病院に移り3週間ほど経つがあまり改善は見られず、主治医からは未だ食事の許可は出ていないので鼻から胃に直接管を入れ栄養を採っている。
以前、看護婦だったお袋は親父が入院して1日も欠かさず父の見舞いに出掛けているので、お袋は疲労が溜まり体調も余りすぐれないようで、このままではお袋も倒れてしまいそうだ。
そこで元看護婦さんで介護や医療に詳しくケアマンションを経営する知人に相談すると、その知人はケアマネージャーと一緒に父の入院する病院を訪ねてくれた。
二人は父のリハビリを見学し父の症状を確認すると、田舎のリハビリ病院では医療の技術は進んでおらず、特に父を担当している言語聴覚士(ST)の技術では父の回復は見込めないと言う。
一旦、親父を退院させ介護施設などを上手く利用し、訪問による摂食嚥下機能回復のためのリハビリを受けた方が良いと言う。
更にお袋の体力の衰えを見て母もケアマンションになどに移り負担を減らすべきだとアドバイスされたので、二人に具体的にプランを策定してもらった。そしてその知人が経営するケアマンションで食事を摂れない親父とお袋を受け入れ可能なのか、ケアマンションのスタッフで話し合ってもらった。
数日後、腹をくくってくれた知人から連絡があり、親父とお袋を自らが経営するケアマンションで受け入れ、そのマンションから親父は介護施設を利用し、訪問による摂食嚥下機能回復のリハビリは可能だと連絡があった。
その知人も親父のリハビリをできる限り行ってくれるそうだ。
僕は夏休みを長く取ることができたが、墓参りや親父の見舞い、それに親父とお袋の今後の生活を模索することで、随分と慌しく過ぎて行った。休みより働いている方が楽に思えた。
これから訪れる親の面倒を考えると鬱陶しくも感じるが、少しでも元気で長生きはしてもらいたい。
written by マックス