屋外イベントの見物客の数は空撮などにより、1平方メートルあたりに何人いるかを確認し、その人数に見物客のいる面積を掛けて割り出すそうで、かなりアバウトな人数だ。
今年も福岡の夏の風物詩である大濠花火大会が行われ、約43万人の見物客で溢れかえったそうだ。しかしそんな人数が大濠公園に入園できるのだろうか…。
いずれにしても今年も大濠花火大会は大勢の見物客でごった返していた。この猛暑の中での花火大会なので、見物人も汗と人にまみれて大変だっただろう。また冷えたビールを飲み、用を足しにトイレに立つとトイレの前にも長い行列ができており、トイレに行くだけでも一苦労だ。考えただけでも身震いしてしまう。
花火大会当日の夕方、僕はお得意先に打合せのため出掛けたが、大濠公園に繋がっている道では、早い時間から浴衣姿の大勢の人が会場に向かっていた。きっと花火を見物する場所を確保するためなのだろう。しかし若い頃は場所取りも楽しかったように思う。
僕も若い頃は花火大会の前日に場所取りに出掛け、ブルーシートやロープで場所を確保していた。そして大きく名前を書いた用紙をブルーシートの上に貼りロープにも吊るしておくのだが、少し知恵を絞って、用紙には適当な家紋と名前の最後に「〇〇組」と書いておくと、場所を横取りされることはまずなかった。それどころか僕らが確保している場所の周りにはスペースができるので、ゆったりと寝転がって花火大会を見物することができた。あの頃が懐かしい。
今は自宅から花火大会を眺めている。僕の家は大濠公園に近く、花火の火薬の燃えた臭いがする距離にあり、自宅周辺には高層マンションなどの大きな建物が建っていないので、花火大会を自宅から眺めることができる。
まず風呂に入りクーラーの効いた部屋で友人たちとビールを飲みながら、部屋の窓から花火を眺めている。そして花火大会のフィナーレに家のベランダに出て、打ち上げ花火のラッシュを見上げる。年に一度の贅沢な時間だ。何よりも嬉しいことは、たらふくビールを飲んでも直ぐにトイレに行けることだ。
福岡の大濠花火大会も終わり、もうすぐ立秋になる。この暑さもそろそろピークを越え、朝晩はかすかに秋を感じることができるだろう。盆が過ぎると年末まで一気に加速する。
さて後半戦が始まる。心機一転、軽快に毎日を過ごそう。
written by ゴンザレス