新年の挨拶回りも一段落し通常業務が戻ってきた。年末から今年一年が穏やかな年になることを望んでいたが、先週は出張に出掛け会食の予定も既に入り、今年も何だか慌しい一年になりそうだ。
そんな矢先に高校生の甥っ子が家出同然のように僕の家に住み付いた。彼は優しく素直なのだが、気が弱く自らあまり主張しない性格で多少ネガティブだ。僕が甥っ子と同じ歳の頃は反抗期で毎日親に反発していたが、彼は親に反発することも無いと言う。
僕は以前より彼に男の子なら強く逞しく成長し、将来、お金に苦労することがないように、自分の力で稼ぐことのできる人間になるようにアドバイスしている。そのためにはコミュニケーション能力を高め、不屈の精神を持つためにメンタルを強くするように言い聞かせている。
最近、彼はそのことを少しずつ理解できるようになったようで、自ら強くなりたいと本気で考えるようになった。そこで過保護の親元から離れ僕の家に居候を始めることを決意したようだ。甥っ子が10日ほど居候した頃に僕は親が心配しているだろうから、家出同然のような振る舞いは良くないので、一度家に戻り親と膝を突き合わせて家を出て生活するのか、しっかり話合いをするように伝えると、彼は渋々家に戻っていった。
僕も営業活動を通じて多くの人と接してきたので、多少人を見る目は養われている。基本的に負けん気が強く、一つのことを辛抱してコツコツと努力し、集中力のある人が伸びるように思える。今のままの甥っ子ではきっと社会人になり苦労すると思う。
今の若い方は就職したものの辛抱することを避け簡単に転職するようだ。今の時代は人生百年などと言われ、昔より寿命は倍に延びた。「石の上にも3年」と言う諺もあるが、「石の上にも6年」と、昔より辛抱する時間を倍にしなければ何も身につかず得るものはないだろう。また転職を繰り返すことで退職金は増えず、役職も上がっていかないので収入は増えない。
甥っ子は僕の家に着替えや眼鏡、スマホの充電コードなどを忘れていった…。きっと彼は忘れたわけではなく、わざと置いて行ったのだろう。近いうちにまた家出する計画なのかもしれない(笑)
僕の影響を受け迷える子羊の甥っ子は、将来どんな人生を歩むのだろうか。
written by ダニエル