スーツを着なくなって随分となる。
以前は企業戦士のようにスーツに身を纏い仕事をしていたが、勤めていた会社が倒産し独立することになり、収入は減りワイシャツをクリーニングに出すことすら苦しくなった。そこで週末に自ら一週間分のワイシャツのアイロン掛けをやることに。
当分の間、日曜日の午後にひたすらアイロン掛をしていたが、大切な休日の時間をアイロン掛けに費やすより、仕事に関する本やビジネスの本を読み知識を付けることの方が大切だと思い、アイロン掛けを止めてしまった。そして翌日からカジュアルな格好で仕事に出かけることにした。
当初、お得意先や取引先からは随分と驚かれたが、スーツを着ている頃と比べて得意先や取引先との関係に変化はなく、仕事が減るわけでも無かった。今ではカジュアル姿が当たり前になり、逆に冠婚葬祭などでスーツ姿を目撃されると、「初めてスーツ姿を見ました!」と驚かれてしまう。スーツもネクタイも僕には無用の長物になってしまったので、一着の礼服を残して知人や親類に譲ってしまった。しかしカジュアルだからといっても最低限のルールは守り、襟のある服を必ず着ている。
以前、下の人間にスーツを止めてカジュアルな服装で仕事することを勧めると、翌日彼はTシャツに短パンで、しかもサンダルを履いて出社してきた。
「違うだろ~違うだろ~バカ~!!」と僕は怒鳴った。(とある女性議員のよう)
ところで、この歳になり平日にカジュアル姿で街を歩いていると、よく手配りのティッシュやチラシをもらう。先日も事務所近くのハローワークの前を歩いていると人材派遣会社の方なのか求人募集のチラシをもらい、また別の日には分厚い求人雑誌をもらった。どうも傍から見ると無職のプータローに見えるのかもしれない。
アップルの経営者だったスティーブ・ジョブスも常にカジュアルな格好だった。彼も有名になる前は求人募集のチラシをもらっていたのだろうか?
written by サンゴール