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お袋さん、何しに東京へ?
2017年05月19日

東京の一人暮らしの叔母が高齢になり認知症を発症してしまったので、福岡に連れ戻し一緒に暮らすことになった。
叔母は既に福岡に戻っているが、叔母の荷物をまとめて送り出すために僕の出張に合わせて両親も一緒に東京に向かった。
両親も高齢で余り動けないので、両親の指示のもと僕が荷物をまとめた。
叔母は一人暮らしだったが、荷物の量はかなりあったので荷造りは大変だった。

東京では両親を一流ホテルに泊め、食事をご馳走した。両親はホテルの宿泊費や飲食費を聞いて驚いていた。
父は「もったいない、もったいない」と口にしていたが、母は大喜びで楽しんでいた。

叔母の荷物を引っ越し業者に引き渡し、帰りの空港で母は知人やご近所さんへのお土産を購入するために一人走り回っていた。

「お袋、叔母さんの引越しのために東京に来たんやろ?お土産はいらんやろ!」
「お土産を選ぶのも楽しいと!」
「だいたいお袋は東京に何しに来たとね?」
「おばちゃんの引っ越しやろ!」

結局、その大量のお土産を僕が持つことになる。

父は厳しく贅沢をせず外出もあまりしない人だが、母は逆に外に出掛けることが大好きで、今回の東京も楽しみにしていたようだ。
母は叔母の荷物をまとめるという目的より、僕と東京見物をする事が目的だったのだろう。

両親の歩く速度は随分と遅くなり歩くこともおぼつかないが、それでも二人手を取って歩いていた。
本来の目的とは違うが、両親を小旅行に連れて行く事ができて良かった。
両親ともに先はそう長くないだろうから、生きていられるうちに今まで経験した事を少しでも多くさせてあげようと思った。

written by マックス


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