現場力
2016年10月28日
昔は考えるより先に行動するタイプの人間が多かった。僕もそのタイプだったので、上司からお前は無鉄砲だから少し考えてから行動しろ!と、よく叱られものだ。また古くからの親しい取引先の先輩からは「走りながら考えろ!」と、教えてくれた。
今ではパソコンやネットが普及したこともあり、まずはネットで色々と下調べをし、それから考えをまとめて行動に移す人間が多いようだ。
行動が先か、考えることが先か、どちらも極端すぎると問題だが、親しい先輩の言うように、「走りながら考える」ことが大切だと僕は思う。
まずは行動することで、色んな人に出会うことができ人脈が広がり、生の情報がたくさん入手できる。その人脈と生の情報が増えていくことで、たくさんのヒントやアイデアが生まれユニークな企画が生まれる。
「現場力」とは現場に出向き多くの人に会い、多くのものに触れ、入手した生の情報から仕事を組み立てる力のことだ。
「現場力」を大切にする仕事のひとつに刑事という仕事がある。刑事は事件直後から犯人を割り出すため聞き込みを始める。聞き込みは有力な情報に辿りつくまで徹底して行われる。
随分昔に刑事さんと話したことがあるが、一体、何が刑事さんの執念を掻きたてるのか尋ねと、殺人現場を見ると、何としても犯人を捕まえてやると思うそうだ。
「この前も、酷い事件があった。現場に駆けつけたらドラム缶の中に焼死体があった。その酷い死体を見たとき、言いようの無い怒りと悲しみで全身が振るえ、殺された人の無念さを強く感じた。そして何が何でも犯人を捕まえんと、殺された者が浮かばれんと思ったんだよ」
「現場力」 …ひょっとすると職務を超えた使命感や信念が支えているのかもしれない。
written by ベルハルト