今週、福岡でも桜が開花し、ニュースでは多くの喜んでいる人が取材されていた。あと10日もすれば桜は満開になるだろう。しかし一体なぜ、日本人はこんなに桜が好きなのだろうか?日本人が桜を好む理由は2つあると考えられている。
まず四季がはっきりしている日本では寒さの厳しい「冬」が終わり、年度替りで様々なことがスタートする春は「心躍る季節」で、この時期に満開になる桜で「心躍る季節」を視覚的に実感することができる。次に桜は「儚く美しい花」で、桜の開花を心待ちにしていたにも関わらず2週間程度で潔く散ってしまう。日本では昔から「生命の儚さ」や「潔さ」に美学を感じ、それを桜の花に重ねているからだという。太平洋戦争時に歌われた日本の軍歌「同期の桜」でも華々しく散る姿を、桜の花に喩えている。
「貴様と俺とは~同期の桜~♪」
前置きが長くなったが、寒がりの愛犬Q次郎は冬の間は毛をカットしないので、毛は10㎝ほど伸びていた。昨年は3月初旬の寒い日にベランダで毛をカットしたので、ぎっくり腰になってしまったが、今年は二の舞を演じないよう、今週、気温の高い日にQ次郎の毛をカットした。今までは失敗して虎刈りにならないようにあまり短くカットしていなかったが、気温の上昇が例年より早いので短くカットしようと、YouTubeで学習して挑んだ。
ベランダのテーブルにQ次郎を乗せ、9ミリのブレードをバリカンに取り付けQ次郎の体に添ってバリカンを進めると、気持ちが良いのかQ次郎は大人しくしている。特にカットが難しい箇所はお腹周りで、Q次郎は仰向けになってくれず僕は体をねじらせてカットしたので、昨年のぎっくり腰が頭によぎった。全身の毛をカットした後、シャワーで切った毛を流し、毛を乾かした後、6ミリのブレードをバリカンに取り付け仕上げのカットを行った。仕上がりはプロのトリマーもビックリするほどの出来栄えだった。
「オ~、ワンダフル!!これからは店に行かんで俺が毛をカットしてやろう!」
「ワン!」
Q次郎も嬉しいのか、尻尾を振っていた。
毎年、春から冬まで年に4回、Q次郎はトリミングショップで毛をカットしてもらい、費用は年間30,000円ほど掛かっている。これからは性能の良いバリカンを買って自宅でカットしてやることに。しかし毛をカットしてシャワーを2回、終了後にベランダの掃除でトータル4時間ほど掛かり、さらに腰にも負担が…。
やはり自分の体と相談しながらカットしてあげることにしよう。
「暑さ寒さも彼岸まで」とよく言うが、春分の日を境に気温は上昇し急に春が訪れた。例年、お彼岸には墓参りに出掛けていたが、今週、肋骨を折って入院していた高齢のお袋が退院し、退院したばかりのお袋を連れての墓参りは難しく、逆にお袋一人を自宅に残すことも心配なので墓参りは見送ることに。
お袋が肋骨を折り入院した当初は、このままボケてしまうか寝たきりになるのではないかと心配していたが、しぶといお袋は無事に退院することができた。お袋の入院していた病院は未だ新型コロナへの感染対策が厳しく、面会は事前予約制で病院1階にある面会場所で20分と制限さていた。
入院当初、お袋は歩くことすらできず面会に出掛けると、お袋は車椅子に乗り看護婦さんに連れられてくる。お袋に入院生活を尋ねると、1日1時間程度のリハビリを受け、その後は時間を持て余しベッドで横になっているという。さらに病院食が口に合わないとこぼすので、気分転換にもなるだろうとお袋を車椅子に乗せ病院近くのレストランに外出して良いか看護婦さんに尋ねると、主治医から外出許可が出ていないので無理だと言われた。そこで退院日はお袋の好物のカニを用意することや、今月末のお袋の誕生日までに退院してご馳走を食べに行こうとお袋に約束した。
その2日後、看護婦さんから連絡があった。
「息子さんですか?」
「はい。何かありました?」
「お母さんの退院日について連絡しました」
「えっ、もう退院ですか?先日、外出許可は出てないと言われたんですが…」
「お母さん、突然動けるようになったんです。痛みも急になくなり、レントゲン検査も良好だったので、先生は退院して問題ないと言っています」
「えっ?急に動けるようになったんですか?」
「はい。急に動けるようになったんです…」
今週、車椅子から歩行機へと移りお袋は無事に退院することができた。退院した日の夕食は約束通りお袋の好物のカニ鍋で退院を祝い、お袋は大喜びだった。来週のお袋の誕生日は馴染みの和食店を予約している。きっとお袋は好物やご馳走につられて急回復したのではないだろうか…。
「本当にお袋は単純で卑しいな~。まっ、無事に退院できたから良かったけど…」
先週末を境に、急に暖かくなり日中もエアコンを入れず、夜は毛布一枚で寝ている。マンションの隣の家の庭には早咲きの桜が満開で、そろそろ各地から桜の便りが届くだろう。桜が満開になると、毎年出掛けている室見川沿いの桜並木の土手を愛犬と散歩しよう。
先日の日曜日、以前勤めていた会社の後輩から帰省するので飲みに行かないかと誘われ、20年ぶりに二人で酒を飲んだ。一緒に勤めていた会社が倒産した後、彼は東京で再就職し今では博多弁を忘れてしまったのか、しっかり東京人になっていた。彼は僕に会うなりこう言った。
「ご無沙汰しています。年取りましたね~」
「そりゃ~年取るやろ~。いらん世話や!」
彼も加齢と地球の引力に抗うことができず顔も弛み、当時と比べると随分おっさんになっていた。そして久しぶりの再会で積もる話に花が咲き楽しく酒を飲んだ。
現在、彼はネット関係の会社で働いており、中古のマンションを購入したことや成長した2人の子供のこと、震災時に帰宅難民になり何時間もかけて歩いて自宅に戻ったことなど、彼の話は多岐にわたった。中でも印象に残った話は趣味のキャンプの話で、休みになると冬でも薪ストーブを車に積みひとりでキャンプに出掛けるという。
「お前、冬でも一人でキャンプに行くとや?」
「はい。マンションが2DKなんで4人家族だとかなり狭いんですよ。だから窮屈な生活から解放されるため休みの日は1人でキャンプに出掛けるんです」
「1人で?家族と一緒に行けばいいやん」
「家族はキャンプに行きたくないと言うもんで…」
彼は本格的に道具を揃えてキャンプをしているようで、キャンプ道具で部屋はもっと狭くなってしまうだろうと思った(笑)。
そして昼の12時から飲み始め、2軒目は中洲の川沿いにあるテラスで陽にあたりながら一杯やり、夕方近くに彼と別れた。
勤めていた広告会社が倒産し、一緒に働いていた後輩達は皆それぞれ他の広告会社に再就職した。数年が立った頃、親しいテレビ局の方からこう言われた。
「お前の指導が良かったのか、お前の元部下は皆優秀でしっかりやりよるぜ!」
「そうですか。それは良かったです」
先日一緒に飲んだ後輩も縁もゆかりもない東京で、しっかり根を下ろし逞しく生きているようだ。