フォルクスワーゲンの排ガス不正事件が世界的に大問題になっている。そして日本国内でも旭化成建材の杭打ちデータの偽装問題、タカタのエアバック破裂問題、それに東洋ゴムの免震偽装など不祥事は後を絶たない。しかも不祥事には命や生活に関わる事象も含まれているので驚いてしまう。
誠実で丁寧な仕事に取組んでいる企業はどのくらいあるのだろうか。ひょっとすると、その企業の方が不祥事を起こしている企業より少ないかもしれない。
大企業はコンプライアンスと言う言葉をやたらと口にするが、本当に守っているのだろうか…疑ってしまう。
確かに成長していくことは大切だが、過度の成長は会社のフィロソフィや文化までも破壊し、会社設立当初の目的や理想までも失ってしまう。
特に大企業では、外部でスカウトした人物を社長に抜擢することもあり、起業した頃の初代経営者の考え方や強い信念を踏襲することはできない。
逆に中小零細企業や町にある小さな老舗の店の方が苦しくても健全な仕事を行っている。彼らはお得意先を大切にし、お得意先が喜んでもらうために日夜努力しており、自らの身の丈に合った成長を考え、きちんとフィロソフィと事業を継続できることを考えている。
企業は身の丈に合った成長でなければ健全な状態を保てないのではないだろうか。そのためには自らの身の丈を知ることが最も大切で、身の丈を決して過大評価してはならない。
フォルクスワーゲンはトヨタと世界中で販売台数の熾烈な競争をしていた。
フォルクスワーゲンは技術を高めることより、低燃費車の生産するためのコストを抑えるために自らの技術を偽ってしまった。その結果、膨大な損害を出すこととなり、ブランドと信頼までも失ってしまった。その代償はあまりにも大きい。
企業は自分の事業領域をしっかり理解し、お客様が喜んでもらうために技術やサービス力を磨いていかなければならない。
そして身の丈に合った経営をしなければならない。
written by マックス