仕事を進める上でトラブルはつきものだ。取引先の大手印刷会社の担当者の話だが、大型の案件を進める中で大きな問題を抱えてしまった。
その案件は納品日が確定されており、スケジュールがかなりタイトなものだった。更にお客さんが印刷数量を確定することに時間がかかっていたので、彼は用紙メーカーに用紙の手配ができずにいた。
今回の印刷用紙は当初から特殊な用紙に印刷することが決まっていた。彼はそのことを理解していたし、今月は大型連休があることも十分理解していた。そこで彼は納期に間に合わせるため、お客さんに印刷数量を確定してもらう最終日を伝えた。
そしてお客さんはその約束を守り、彼に確定した印刷数量を伝え発注となった。
その後、彼に予想もしないトラブルに襲った。
用紙メーカーに用紙を発注したが、用紙は特殊なものなので利用頻度が少なく、メーカーには発注された数量の3分の1程度の在庫しかなった。そしてメーカーが急いで用紙を製造しても決まった納品日に間に合わないことが判明した…
「ぎゃ~」
彼は真っ青になった。彼は途方にくれて上司に報告した。
「ぎゃ~」
上司も真っ青になった。
そして上司と担当の彼はお客さんのところへ謝罪に行くことに。
お客さんはその話を聞きこう言った。
「お宅のような大企業が用紙メーカーに影響力がないの?しかもお宅のトップが用紙メーカーにしっかり交渉や緊急製造の要請をしたの?そしてやること全てやったの?」
そう言われて二人は渋々引き上げて言った。
数日後、印刷会社のその上司はお客さんに電話しこう伝えた。
「用紙は何とか工面しました。あの話は忘れてください」
どうも大企業になるとトラブルが起こると解決に向けて東奔西走せず、簡単に諦めてしまうようだ。そして彼はお客さんに最後にこう言った。
「忘れていた若い頃に味わった達成感があります!」
「…」
だったら最初からやれよ!
written by モンコ