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在庫を持つ
2013年12月13日

広告は小売業界などと違い受注業界なので、基本的に在庫を持つことがあまり無い。しかし広告スペースを事前に広告会社が買い切ることがある。買い切った広告枠は、何としても売り切らなければ当然赤字になってしまう。

営業経験が乏しいスタッフのお尻に火が付けばと、年始の新聞広告の小さな枠を半ば強制的に買い切らせた。買い切ってから原稿を入稿するまでの時間は約一週間と時間はあまり無かった。

何としてもこの枠を埋めないと赤字になることを彼に伝え尻を叩いた。その次の日から彼の目の色が変わり、多くの企業に電話を掛け訪問するようになった。しかし、そう簡単には枠が埋まるわけもなく刻々と時間が過ぎていく。ついに彼はその週末の休みまで返上し、飛び込み営業を行い、そして夢の中でも営業していたそうだ。
そして、締切日ギリギリに枠を埋め無事に原稿を入稿することができた。彼はひとつの仕事を自力で完了させた。彼にとっては初めての経験で大きな山だったのだろう。肩の荷が下りたような顔をしていた。
やはり在庫などのリスクを持って仕事に挑まなければ人の成長は無いと思う。

原稿を入稿した日に、『また違う広告枠を買い切ろうか?』彼にそう伝えると、彼はギョッとしていた。

written by ベルハルト


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