「時代が大きく変化している」いつの時代もそう言われる。しかし以前より変化の速度が増しその変化の幅が大きくなった気がする。
パナソニックが発売したプラズマ・液晶テレビ「スマートビエラ」のCMが放映されていない。各テレビ局がCMを拒否しているそうだ。そして驚くことにパナソニックはアメリカのウェブの広告大手企業と提携したことを発表した。
このテレビはテレビ番組だけでなくウェブ閲覧やSNSなども利用できる。多くのデジタルテレビもインターネットに接続すればウェブを閲覧できるタイプのものが多い。しかしこのテレビはテレビ番組とネットが同一画面で同時に見ることができる。そして驚くことにテレビCMやバナー広告をパーソナライズ分析し、視聴者に合わせて広告を発信する機能が搭載されている。アメリカで販売される製品にはこの機能が搭載されているが、日本で販売される製品には搭載されていない。日本のテレビ局などに配慮してのことだろう。
このテレビがアメリカで普及すれば提携したウェブ広告会社と、この機能を利用した広告が発信されることになる。(このテレビを普及させるために、一定期間無料で提供したとしてもパナソニックは広告収入で賄える)いずれこの流れは間違いなく日本にも到達するだろう。そして、今後テレビを製造する家電メーカーがメディアになる可能性がある。
近い将来、スマホやパソコンだけでなくテレビや自動車、そして住宅などがデジタルで繋がり、全く新しいメディアが出現することが考えられる。現在の既存メディアは更にダメージを受けることになるだろう。広告業界で働く者は新しいメディアの特性を理解し、お得意先に提案しなければならない。そのためには思考も発想も大きく変える必要があり、旧態依然の発想であれば生き残ることができないだろう。
ティラノザウルスやトリケラトプスなどの恐竜は凍りついた世界で絶滅した。しかし微生物などは生き残り進化した。これからは五感を最大限に生かし時代の潮流を見極めた小回りの利く企業が生き残り、そして更に進化していくことになるだろう。
written by SDB-1