金利のある世界
2024年03月22日
昔から冥途は太陽が沈む西にあるとされ、真西に太陽が沈むお彼岸の時期は現世が最も冥途に近づく。そのため日本では昔から先祖供養に墓参りに出掛ける習慣が根付いている。僕も20日の春分の日に墓参りに出掛け先祖が眠る墓で手を合わせた。
「いつも見守ってくれてありがとうございます。時代は大きく変化していますが、これからも見守って下さい」
今週、異次元の金融緩和が長く続いた日本は「金利のある世界」へと時代は変化した。日銀の金融政策正常化をマーケットが織り込む中、金利正常化で金融市場や家計、企業活動に起こり得る変化に注目が集まっている。マーケットの変動が終わると、次は実体経済へ影響が及びそうだ。「金利のある世界」になると、私たちの暮らしはどう変わるのだろうか…。メリットとデメリットを考えてみた。
「金利のある世界のメリット」
- 現在、加速しているインフレを抑制することができる。
- 銀行の収益が改善され金融関連銘柄の株価が上昇することに繋がる。
- 銀行預金の金利が上昇する。ちなみにバブル期にピークを付けた銀行の利率は普通預金2.08%、定期預金(2年間)では6.33%だった。
- 為替は円高に振れるので輸入品の価格が下がり海外旅行にも出掛けやすくなる。
「金利のある世界のデメリット」
- 企業や個人がお金を借りにくくなり、設備投資や新規事業の立ち上げが難しくなる。
- 金利の上昇や金融引き締めにより、40,000円を超えた株価に水を差すことになる。
- 住宅を購入した人の約7割の人が変動金利でローンを組んでおり、変動金利でローンを組む人たちにとっては返済額が増えることになる。
- 円安で稼いでいる日本のグローバル企業が円高により業績が悪化してしまう。また外国人旅行者の数は減少し観光業に水を差すことに繋がる。
- 円高で輸入商品の物価が下落し、消費者物価指数が再び上昇しデフレに逆戻りする可能性がある。
- 先進諸国の中で最も公的債務を抱える日本は、債務返済コストの増加につながる。
簡単に「金利のある世界」のメリットとデメリットをまとめたが、金利の上昇で喜んでいるのは銀行と預金を多く持つ人なのかもしれない。いずれにしても日銀は慎重に利上げを判断するだろう。円高なったら海外旅行に出掛けよう♪