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思い出に残る花見
2024年03月15日

昨晩の雨は止み翌日は朝から青空が広がったので、ヨットハーバーに隣接する公園に愛犬Q次郎と散歩に出掛けた。僕はダウンジャケットを着ていたが、ポカポカの陽気で暑くなりダウンジャケットを脱ごうと立ち止ると、公園の隅にある一本の桜の木が目に留まった。周りの桜の木は開花までもう少し時間が掛りそうだが、その桜の木は既に満開の時期は過ぎ桜吹雪のように花びらが舞っていた。近づいて桜を眺めていると、昔、行った花見を思い出した。

以前、お世話になっている得意先や媒体社の方を招待し、桜の名所で知られる神社で夜桜を楽しむ花見を行ったことがある。事前に花見の場所をロケハンし、神社の神主に相談すると快諾してくれたので奉納金を納めると、花見当日、神主から日本酒一升瓶(お神酒)の差し入れを頂いた。「有難い!」

当日は満開の桜の木の下にイベント会社の方に頼んで花見会場を設営してもらった。会場は四方を紅白幕で囲いブルーシートの上に畳を20畳ほど敷き、白のテーブルクロスを広げた座卓と座布団を並べた。座卓の上には提灯をずらりと吊るし桜の花をライトアップ。招待客が寒くないように大きな石油ストーブ数台とひざ掛けも用意した。そしてステージを組み両脇には花屋に頼んで立派な桜の花を活けてもらい大きな赤い番傘を飾った。

料理は馴染みの料亭に豪華な弁当と大きな鍋に入ったおでんを用意してもらい、おでんはカセットコンロで温めた。酒はビールと手軽に熱燗ができる缶に入った日本酒を大量に用意し、さらに和装の芸者さん3人を手配し、うちの女性スタッフも全員和装で参加することに。日が落ちる頃、招待客が集まると、皆、口々に感嘆の声を挙げていた。

時間が経過すると春先で冷え込んできたので、皆、熱燗がよく進み、中には一気飲みをする人まで現れた。皆、桜を満喫し大いに盛り上がり夜の11時頃にお開きにした。招待客が帰った後、スタッフは会場を簡単に片づけ、しばらくの間、桜を眺めながら軽く酒を飲み労をねぎらった。

翌日知ったが、スタッフの一人は泥酔し花見会場で眠ってしまい、翌朝、会場撤去に訪れたイベント会社の方に起こされたという。彼は明け方、厳しい寒さで目を覚ますと、自分がどこにいるのか理解できず、ライトアップされた桜が幻想的で、一瞬、天国にいるのかと思ったという。そして近くにあったひざ掛けにくるまって朝まで眠ったそうだ。

「しかしお前アホやな~。盗人にも遭わんで、凍死せんで良かったな!」

今年もお袋を連れて花見に行こう。


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