確定申告を終え、一息ついたので愛犬Q次郎を散歩に連れて行った。Q次郎は海浜公園にある芝生の広場でボールを投げて遊ぶことが大好きで、車を停めQ次郎を降ろすと、リードを引っ張り広場へ急ぐ。広場でボールを見せると、Q次郎は僕に背を向けボールを投げる方に向かって構える。ボールを投げるとQ次郎は一目散に駆け出してボールを咥えて僕の元に戻って来る。ボールを見せると条件反射のように直ぐに構えるので、「パブロフの犬」のようだ。「パブロフの犬」とはロシアのパブロフが実験した生理現象で、犬にベルを鳴らして餌を与え続けると、ベルの音を聞いただけで犬はよだれを垂らす条件反射のことだ。しかしこれは犬だけではなく人にも共通するようで、政治家は国会質疑で問いただされると、条件反射のように決まってこう言う。「認識はございませんでした」、「記憶にございません」
自民党の政治資金パーティーの裏金問題をめぐり、先日、開かれた政治倫理審査会で、ある議員の発言に批判が集まっている。その議員は政治倫理審査会で「法令違反を重ねてしまったことは極めて問題であり、残念」と何となく反省の弁を述べたが、裏金について「適法ではない処理をしていたことは全く認識していなかった」と主張した。
また野党議員の質疑の中で「国民の皆さんが怒っている一つに『自分らが裏金をつくって持っていたのであれば、それは政治資金ではないので納税するべきだ』と言う声で、あなたは納税するつもりはありますか?派閥の皆さんに、ちゃんと納税しろと呼びかけるつもりはありますか?」と追及。これに対し、その議員は「私自身はしっかりとそれを政治活動に使用しておりますので、納税するつもりはございません」と答え、派閥の議員に対しては「具体的に税法上どうなるか確認して指導していきたい」と述べた。
そしてその議員の言った「納税するつもりはございません」という言葉にネット上では「堂々と脱税宣言!」、「納税するか否かを自分の一存で決められるんだ」、「怒りを通り越して悲しい」など非難する声で溢れた。岸田首相は「説明責任を果たす」と繰り返し発言しているが、説明の責任を果たすだけではなく過ちを認め誠意を持って税金を納めるべきではないだろうか。
先日、確定申告会場に出掛けた知人から聞いたが、申告会場では裏金事件への怒りが税務署員に噴出しているようで、税務署員は頭を下げていたと言う。気の毒に税務署員もこの裏金問題でとばっちりを受けているようだ。
散歩から戻り犬のおもちゃを「キュッキュッ」と鳴らすと、Q次郎は僕の前に駆け寄って来て、僕を見上げていつものように身構えた。