今週、義理の両親が住む沖縄へ久しぶりに帰省したが、3連休だったこともあり空港やホテルでは多くの旅行客で賑わい、まるで他の国で戦争が起きていることを皆、忘れているかのようだった。「日本は平和だな…」
ところでイスラエルとパレスチナのガザを実効支配するイスラム組織ハマスが軍事衝突して1ヶ月が過ぎ大きな犠牲が出ている。今後、さらにエスカレートすることになれば、エネルギー供給など世界経済へ影響を及ぼすかもしれない。
2世紀にローマ軍に敗れたユダヤ人は故郷を追われ世界に離散ることに。その後、第二次世界大戦でヨーロッパに住むユダヤ人はナチスドイツから人種的な理由で迫害を受け、自分たちの国をつくる必要性を強く感じパレスチナを「約束の地」として移住を始めた。しかしそこに在住していたアラブ系のパレスチナ人と対立することになる。
1947年、イギリスの委任統治下にあったパレスチナをユダヤ人国家、アラブ人国家、国際管理地区の3つに分割することが国連で採決され、これに基づき、翌年、ユダヤ人国家としてイスラエルが建国された。しかしパレスチナ人やアラブ諸国はこれを容認せず戦争が勃発。1973年まで4度の戦争などを経て、米国の支援を受けたイスラエルは徐々に占領地を拡大し多くのパレスチナ人が難民になってしまう。
1993年、イスラエルとパレスチナ解放機構がオスロ合意で調印し、ヨルダン川西岸とガザ地区はパレスチナ自治区となり、イスラエル軍は2005年にガザから撤退。しかしその後もイスラエルはガザ地区との境界を管理し、ガザは「天井のない監獄」とも呼ばれ、東京23区の6割ほどの広さに約220万人のパレスチナ人が暮らしている。
その後、ガザを武力制圧したイスラム組織ハマスはイスラエルの存在を認めない立場で、イスラエルに攻撃を始めイスラエル軍と軍事衝突が繰り返されている。ちなみにハマスは過激派組織と言われているが、ガザ地区に学校や医療施設など生活インフラを整備し、住民からの支持は高い。しかしガザ地区は長い間、封鎖されており自由も制限され失業率は高く若者を中心にイスラエルへの不満が募っている。
そして、先月、ハマスはイスラエルを再び攻撃し軍事衝突が起きた。イスラエルの大規模な報復攻撃でガザ地区では数多くの人が負傷し命を落としている。
家族や友人を失い深い悲しみが大きな怒りや恨みへと変化していく。この深い悲しみと大きな怒りはいつまでも忘れられることはなく、この地で双方が許し認め合うことはないだろう。世界を巻き込んだ2度の大戦で多くの人が犠牲となり、世界中で平和が訴えられているが、戦争がなくなることはないだろう。
近い将来、日本も戦争に巻き込まれてしまうかもしれない。