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「ボビ」
2023年10月27日

秋も深まり、最近の最高気温は25℃前後、最低気温は12℃前後で、一日の気温差は10℃以上になる。僕の住むマンションは気密性が高く部屋は暖かいのでタオルケットだけで寝ていたが、朝方の冷え込みで目を覚ますと愛犬Q次郎と抱き合って眠っていた。

「うう~寒い。毛布を出そう」

ところで史上最高齢の犬としてギネス世界記録を持つポルトガルの雄犬「ボビ」が今月21日に31歳と165日で死んだ。「ボビ」は「ラフェイロ・ド・アレンティジョ」という犬種で平均寿命は12~14歳で、「ボビ」はその2倍以上長生きしたことになる。ちなみにこの犬種は大型犬で平均寿命の14歳を人間の年齢に換算すると103歳になるそうだ。「ボビ」の年齢を人間の年齢に換算すると、一体何歳だったのだろう。

「ラフェイロ・ド・アレンティジョ」という難しい名前の犬種を調べてみると、ポルトガル中南部でよく見られ、遠い昔、イベリア半島にやってきた中東の大型犬が元になっているとされる。昔、ポルトガルでは良質な牧草を求めて家畜と人間が季節的に移動する「季節移動」が頻繁に行われ、外敵から家畜を守る勇敢な犬の存在が必須だったという。「ラフェイロ・ド・アレンティジョ」の性格は、勇敢で縄張り意識が強いそうだ。

「ボビ」の家族によれば、「ボビ」が長生きできたのは農地や森に囲まれた穏やかな環境でリードを付けずにストレスフリーで暮らしていたことや、人間と同じ食べ物を水に浸し調味料を取り除き食べていたからではないかという。そして「ボビ」の母親も18歳まで生きたので、家系的に長寿の遺伝子だったようだ。「ボビ」の性格はとても穏やかで社交的だったそうで、人に撫でられることが大好きだったという。

今では良質なドッグフードや動物医療の発展でここ数年の犬の寿命は飛躍的に延び、以前うちで飼っていたった愛犬も19歳まで長生きした。逆に粗悪な環境や飼い主の愛情を欠いて早く天国に旅立つ犬も多くいる。縁あって出逢い、そして共に毎日を暮らすことは奇跡的で運命のように感じる。もし生まれ持った命に寿命があるのであれば、長短に関わらず幸せな生涯になるよう大切に寄り添ってあげたいと思う。

「Q次郎、長生きしろよ!一緒に田舎で暮らすか?」

そう声を掛けるとQ次郎は首を傾げた。

きっと「ボビ」は天国で幸せに暮らしているだろう。ご冥福を祈ります。


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