まるで新型コロナウィルスの長いトンネルを抜けたかのように、政府は観光需要の喚起策を打ち出した。海外から観光客を誘致するため今月11日から水際対策を大幅に緩和し、国内では「全国旅行支援」が始まった。旅行や飲食店に出掛けることに飢えていた消費者は「全国旅行支援」の申込に殺到し、旅行会社では一部、自治体の旅行商品の予約受付けを停止するなど、「全国旅行支援」は開始から1日余りで予約の多くが埋まる事態になった。
2020年1月、中国の武漢に滞在歴のある日本人男性が、国内で初めて新型コロナウィルス感染者に認定された。それ以降、新型コロナウィルスは爆発的に感染拡大し、感染の恐怖から外出ができず閉塞感のある日々を過ごした。あれから約2年10カ月が過ぎた今週、新型コロナウィルスによる規制は大きく緩和された。
あいにく僕は新型コロナウィルスに感染することはなかったが、僕の周りでも新型コロナウィルスの影響は非常に大きいものだった。新型コロナウィルスに感染しないように事務所を一時閉鎖し、その後、完全在宅勤務に移行した。また親父が入院している病院では面会は停止され親父に会うことはできなくなったが、今週に入り週に1回、20分だけ面会ができるようになった。
新型コロナウィルスの感染が広がり始めた2020年春に甥っ子は大学に入学したが、入学式は行われず、毎日ネットでリモート授業を受けることになり、友人の輪は広がらず何とも悲しい大学生活が始まった。
そして一緒に暮らしているお袋は、昨年のゴールデンウィークに妹宅に遊びに出掛け、妹宅で発生した新型コロナウィルに妹家族とお袋は感染し、全員外出はできず自宅療養になった。その間、不幸にもお袋は妹宅で転倒し肋骨を骨折、新型コロナウィルス感染病棟のある遠くの病院に救急車で搬送され約2カ月入院することに。
新型コロナウィルスに翻弄された数年だったが、本当に新型コロナウィルスによる暗い長いトンネルを抜けたのだろうか。新たな変異株は発生しないのだろうか。新型コロナウィルスの発生前の日常生活に戻り、マスクを外した生活が送れるのだろうか…。とにかく、失った大切な時間を少しでも多くの人が取り戻せることを祈っている。
僕も早く海外に飛び出したい。