マネーの電子化は金融業界の仕組みを根底から揺さぶることになりそうだ。電子マネーが普及しモバイルなどでの決済が当たり前になると、「お金の置き場所」は銀行口座でなくなってしまう。
来年、企業が賃金の一部をキャッシュレス決済口座に振り込む「デジタル給与払い」が可能になり、年度内に必要な省令改正が行われる予定だ。賃金は労働基準法で現金で労働者に支払うことと定められており、例外として銀行口座への振り込みが認められているが、そこにデジタル口座への振り込みが加えられる。対象となるのは「ペイペイ」、「d払い」、「楽天ペイ」などのキャッシュレス口座で、このような口座を運用する「資金移動業者」は全国の財務局に8月末時点で85社が登録されているそうだ。この「資金移動業者」に登録されているうち、一定の条件を満たし厚労相の認可を受けた業者が賃金の支払先になる。
これまで給与の振り込み先は独占的に銀行口座で、送金、受金、口座振替、外国為替、借入れなど、窓口としてほぼ銀行が独占してきたが、給与の振り込みが銀行口座以外に広がれば、お金の流れに変化が起きる。
銀行はもちろんその他の金融機関、証券会社、キャッシュレス口座である資金移動業者は多くの人の「お金の置き場所」になりたいと考えており、「お金の置き場所」になれば個人のお金の流れを把握することができ、その人に合った各種金融サービスを派生させることができ、多くのサービスを提案することが可能になる。これからの銀行は今までのビジネスモデルで成り立たない時期に差し掛かっている。
学生の頃のバイト代は現金で支給されていたのでお金の有難さを肌で知った。就職して初めての給料は銀行振込みで、給料日に銀行で必要な金額を引き出し、生活費の一部を親に渡していた。お金のやり取りが基本的に現物の紙幣や硬貨だったので、お金の価値がはっきりと理解できた。就職して数年が経つとクレジットカードを利用するようになり、必要に応じてクレジットカードを利用していた。クレジットカードの利用金額はクレジットカードの明細書で確認し、銀行の預金から引き落とされると通帳に記帳されるので、お金の流れがしっかり確認ができた。
今後、電子マネーが定着しモバイルなどの電子決済が進むと、お金の価値が鈍ってしまうだろう。就職して初任給がキャッシュレス口座に振込まれると、給料の全てをコンビニで使ってしてしまうかもしれない。ちゃんとお金の価値を若いうちに理解しなければ将来、散財しることになってしまう。
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