季節が進み銀杏の葉が色付き始め秋が深まっている。最近は少し肌寒くなってきたので、夜、愛犬Q次郎は僕の布団に入ってきて僕の腕に顎をのせ、まるで腕枕をされているように眠っている。何とも可愛いのだが、Q次郎の鼾で目を覚ますこともしばしば。
ミニチュアダックスのQ次郎は先代のQ太郎に比べて随分個性的だ。先代のQ太郎は落ち着きがあり聞き分けが良かったが、Q次郎はやんちゃでおとぼけ犬だ。
先代のQ太郎はうちに来て半年ほどで自分のトイレの場所を覚えたが、Q次郎はうちに来て2年になるが、最近ようやく自分のトイレの場所を覚えた。トイレを覚えるまでは見境も無く家中の至るところで粗相をしてしまうので、後片付けが大変だった。特にベッドや布団で粗相をされると、汚れた布団を洗いマットレスを乾かすことになるので一苦労だ。
そしてQ次郎は僕がソファでテレビを見ている時やデスクで仕事をしていると、ひょいと僕の膝の上に飛び乗り短い脚で立ち、顔を執拗に舐める「必殺べロベロ攻撃」をしてくる。「必殺ベロベロ攻撃」は鼻の穴や耳の穴まで舐め廻すので、顔中が涎まみれになってしまう。
秋になり海は人が減りQ次郎をよく海に散歩に連れて行く。Q次郎のお気に入りは福岡の観光地でもある百道浜だ。駐車場に車を停め車のトランクからQ次郎のお気に入りのボールを取り出すと、Q次郎は大喜びでボールをしっかり咥え砂浜まで持って行く。
砂浜に人がいないとリードを外してボールを思い切り投げてあげると、Q次郎は短い脚をクルクルと廻すように駆け出し、砂埃を立ててボールを追いかける。そしてボールを咥え僕の元に戻って来る。その姿はまるで掃除用のモップが猛スピードで砂浜を走っているように見える。Q次郎は疲れるまでボール投げをせがみ、30回ほどボールを遠くに投げてあげるとQ次郎は疲れて伸びてしまう。帰りも車までQ次郎は大切にボールを咥えて戻る。
以前は毎日仕事に出掛け取引先との会食も多かったので、先代の愛犬Q太郎は休日にしか散歩に連れて行くことができなかった。今は自宅で気ままに在宅勤務をしており時間に融通が利くので、せめてもの罪滅ぼしにと、Q次郎を毎日散歩に連れて行っている。
「Q次郎!さぁ、海に散歩に行こうか!」