今年も百貨店で来年のおせち料理の予約販売が始まった。昨年は12月中旬に予約に出掛けたが、豊富にあったおせち料理は既に売れ、ひとつだけ残っていたものを滑り込みで注文することができた。今年は種類が豊富なうちに早速予約に出掛けた。
おせち料理を百貨店で注文するようになって10年ほどになる。以前は自宅でおせち料理を作っていたが、年末年始をゆっくりと過ごし美味しいおせち料理を食べたいということになり、注文するようになった。百貨店では配送料を支払うと大晦日におせち料理を自宅に届けてくれるのでとても便利だ。
ところでおせち料理を漢字で書くと「御節料理」と書く。本来は「御節供」(おせちく)と呼ばれ正月だけの料理ではなく、元旦や五節句など季節の変わり目の節日を祝う料理で、神様にお供えした後に頂いていた。江戸時代になるとこの慣わしが一般庶民に広がり、一年の最初の節日である正月に振る舞われる料理を「おせち料理」と呼ぶようになった。当時はその地域で取れた食材を利用しおせち料理を作っていたが、暮らしや食文化が豊かになるにつれ現在のような料理に変化したそうだ。
またおせち料理は正月三が日はかまどの神様に休んでもらうことと、毎日台所に立つ主婦を家事から解放させ労うために保存の効く料理が多い。(普段から何もせずボ~っと暮らしている主婦は正月くらい料理しても良さそうだが…)
そしておせち料理は「めでたさを重ねる」と言う意味で重箱に詰められ、それぞれのお重は素材や料理に込める想いで内容が異なり5段重ねだったが、今では核家族化も進み重箱の数にはこだわらなくなった。
百貨店のおせち料理のカタログを見ていると、おせち料理は和食だけでなく中華やフレンチそれにイタリアンなど様々なおせちが並び、本来のおせち料理から随分かけ離れたものも多い。驚いたことにフレンチのおせち料理にはカレーやビーフシチューそれにケーキなども詰められているものまであった。毎年、年末年始はフライドチキンのCMを見るが、「○○〇のお重」と呼ばれ販売されており、今ではフライドチキンもおせち料理に加わっている。フライドチキンを神様にお供えすると、神様は一体どう思うのだろう…。意外にも異国の料理なので大喜びするかもしれない。