9月に入り、一日中聞こえていた蝉の大合唱はいつの間にか消え、遅れを取った数匹の蝉が鳴いている。あと数日もすれば蝉の鳴き声は止まり秋を肌で感じることができるだろう。しかし季節が変わっても昨年から続く新型コロナウィルスの感染は収まるどころか、今も感染者は増え猛威を振るっている。ワクチン接種は加速しているが、世界中で集団免疫ができ完全に収束するのはいつになるのだろうか。
福岡は4度目の緊急事態宣言が発令され、そのたびに大学ではオンライン授業へと切り替わり、自宅などでパソコンに向き合いながらオンラインで授業を受けていると言う。何とも不自由で刺激のない大学生活なのだろうか。
僕が大学生の頃はアルバイトで貯めたお金で初めて車を買い、友人とよくドライブや旅行に出掛けた。大学3年生の頃はアメリカに約1カ月ホームステイをし、大学3年の秋から友人と中古車販売を始め、卒業後はその友人と会社を立上げることを夢見ていた。大学生活は高校までの生活とは全く異なり、僕を大人と見てくれた親は放任主義になり僕は自由で刺激が溢れる毎日を過ごした。大学時代に経験したことは一生の思い出になり、この頃の経験はそれ以降の人生に大きく影響した。
甥っ子は新型コロナウィルスが発生した年に大学に入学した。新型コロナウィルスの影響で入学式も無く殆どの授業はオンラインで行われ、今後も新型コロナウィルスの影響が長引けば、若くエネルギーに満ち溢れた大学時代の思い出は無いまま、大学生活が終わってしまい空白の4年間が残ることに。このまま社会人になると思うと何とも不憫だ。
もし今後も新型コロナウィルスの影響が長引き自分が思い描いていた学生生活を送れないのであれば、大学を休校することも良いのではないだろうか。そして新型コロナウィルスが収束した頃に大学に戻り、自分の思い描いた大学生活を送れば良いと思う。それとも大学を卒業した後直ぐに就職するのではなく、世界中を旅して周っても良いのではないだろうか。学生時代に経験できなかった自由で刺激溢れる毎日を求め、世界に飛び出し冒険しても良いと思う。
若い時期に失った時間は若いうちに取り戻すべきだと僕は思う。若い時期にしかできないことを後々に取っておいても、若い頃の感性や体力は年齢とともに衰え、年齢を重ねて経験しても若い頃に感じる感動とは大きく異なる。
「一生青春」などと口にする勘違いしたおっさんがいるが、自由で活気があり刺激溢れる若い頃が「青春」で、その貴重な時間は短く決して戻ってこない。