先週末に2回目の新型コロナのワクチン接種を無事に終えた。1回目、2回目とも接種した左腕に腫れと痛みがあったが、幸いにも大きな副反応はなかった。ワクチン接種をした近所のクリニックではワクチン接種の予約をせずに来院する人も多くいた。
「ワクチンを打ってもらいに来たんですが」
「予約はされていますか?」
「予約はしていませんが、接種券を持っています」
「予約無しでワクチン接種はできないんですよ。どこのクリニックも予約受付はもう終了しているようですので、集団接種会場でワクチンの接種をして下さい」
「予約が必要なんですか…」
最近では予約することが当り前になってきた。以前より確実性が必要な交通機関や宿は予約することが当然で、また作業時間の掛かる美容室も客の待ち時間を少なくするために予約を受け付けていた。その後、歯医者も予約することが当り前になり、今ではネットの普及で予約を受付ける業種は増え、さらに新型コロナウィルスの影響で混雑を避けるために多くの業種でも予約が必要になっている。
僕が予約をして利用するサービスは宿や交通機関はもちろん、歯医者や旨い飲食店、それにガソリンスタンドでの洗車、愛犬のトリミングなど多岐にわたる。先日、喉の調子が悪かったので、近所の耳鼻咽喉科をネットで探すと、その耳鼻咽喉科も予約が必要で、しかも問診票は自分で印刷し記入して来て下さいと書いてあったので驚いた。
予約は確実性と客の待ち時間を減らすためのサービスだったが、最近ではマネージメントの要素が含まれるようになった。例えば飲食店で予約の少ない日は仕入れを減らすことで在庫の調整ができ、アルバイトの余剰スタッフを休ませることで無駄な人件費を抑えることもできる。また予約が少ない日は特価や特典を打ち出すことで集客に繋げているようだ。
さらにこれからは多くの業種で航空会社が行っている「ダイナミック・プライシング」が採用されることになるかもしれない。「ダイナミック・プライシング」とは商品やサービスの価格を需要と供給に合わせ変動させることで、需要の調整を図り利益を最大化することだ。航空会社は夏休みや正月休みなどの繁忙期は価格を上げ、閑散期は早割などを謳い集客を図っている。
そう言えば中洲にあるキャバクラも早い時間帯は格安の価格を設定し、夜遅くなるにつれ価格は上がっていく。これも「ダイナミック・プライシング」なのだろう。
いずれにしてもこれからの時代は何をするにしても予約することが当り前になり、その日の気分で気楽に出掛けることはできなくなるかもしれない。