ある得意先のスタッフは一言で終わる内容をやたら長い文章にしてメールを送ってくる。このようなメールを一日に何人にも送るのだろうから、メールを送るだけで一日の仕事は終わってしまうだろう。しかも電話もメール同様にやたらと長い。そしてこのような人に限って自分は仕事ができると思っているので質が悪い。もっとシンプルに合理的に仕事を行えばもっと効率が上がると思うのだが…。仕事について一度しっかり考えてみる必要があるではないだろうか。
仕事とは何かを生産し付加価値を付けて利益を得ることなのだが、この「生産」とは一体どういう意味なのだろうか。「生産」を調べてみると、生活に必要な物資などをつくり出すこと。また人間が自然などに働きかけ財・サービスをつくりだし、また採取・育成する活動と記されている。サラリーマンは企業の中で「生産」することで、会社から対価として給料を受け取っている。
ところで公益財団法人の日本生産性本部によると、OECDデータに基づく2018年に日本の時間当たりの労働生産性は46.8ドルで、アメリカの74.7ドルの約6割の水準で順位はOECD加盟36カ国中21位で、主要先進7カ国でみると1970年以降、常に最下位だ。また2018年の日本の1人当たりの労働生産性は81,258ドルで、英国(93,482ドル)やカナダ(95,553ドル)といった国よりも低く、順位でOECD加盟36カ国中21位だ。なぜ日本は生産性が低いのだろうか。多くの識者が色々と分析しているが、僕なりに考えてみた。
日本人の生産性が低いのは特に戦略を立てることが苦手なように感じる。先の大戦でも軍部のトップは無能で全く戦略が全く無く精神論を唱え敗戦し多くの犠牲者を出した。昔、僕が勤めていた頃も戦略や計画より先に精神論を唱える上司がいた。日本の生産性が低いのはトップに戦略が無く、多くの企業で精神論を唱える文化が根強く残っているからなのではないだろうか。企業のトップの話を報道など耳にするが、やたら横文字を使い中身があまりないように感じる。また企業は低価格の商品やサービスを販売する安易な経営戦略だったため、大量消費の時代が去った今、その戦略では世界に通用しない。
そして日本企業は今でこそ減ったが、長い間、年功序列で定年まで安定した収入を得ることができた。社員同士は仲が良く、やたらと社員間での付き合いや行事が多い。逆に欧米では成果主義で生産性を上げないと直ぐにレイオフされるため、自らの能力を高めなければならず、仕事は段取りよく終わらせ無駄な付き合いよりも自分の時間を大切にする。要するに日本人は茹でカエルのようになっているのだろう。
「残業が多くて…。最近、残業代はみなし残業で支払われるので前より給料が減った」
そう取引先の方が話す。
だったら生産性を上げ残業などせずさっさと帰れば良いのに…僕はそう思う。
written by マックス