新型コロナウィルスの影響で多くの人がマスクをしているので、顔立ちはもちろん表情が見えない。マスクをしている異性を見ると好みのタイプに見えたり、実施は笑っている人が怒って見えたりと、生活の中で惑わされることが増えた。(マスク美人が多いように僕は思える)
愛犬Q次郎は僕が初めてマスクをして家に戻ると、一瞬僕のことを理解せず「うー…わん、わん!」と大きく吠えた。
犬もマスクをした人を見ると顔や表情が分からないので混乱するのだろう。
犬は尻尾の動きや吠え声などで気持ちを表現するが、Q次郎は目の動きが他の犬より大きいので表現が豊かに見える。
Q次郎は名前を呼ぶと顔をこちらに向けるより先に目を動かしその後に顔を向ける。目を上下左右に大きく動かすので白目の部分が多く見え表情が豊かに見えるのだろう。悪戯をして僕に叱られると目を上目遣いで見るので、何となく悪戯をして反省しているように見えるが、腹の中では全く反省などしておらず、直ぐにどこからかおもちゃを持って来て遊ぼうと誘ってくる。
散歩に連れて行くと僕の横を歩きながら何度も僕の顔を見上げる。きっと散歩に出掛けることがまだどこか不安で、僕が隣を一緒に歩いているのか確認しているようだ。
先日、Q次郎と散歩に出掛け川沿いの細い歩道を歩いていると、僕らの前に大きな黒猫が道を塞いでいた。僕は黒猫から距離を取り避けて通ろうとすると、その黒猫は全身の毛を大きく逆立て、唸りながら僕等に向かってきた。
「にゃー!!」黒猫から大きな声を浴びせられると、Q次郎はびっくりして飛び上がり必死で来た道を引き返した。黒猫は追いかけてことはなかったがQ次郎は目を大きく見開き恐怖に慄いた表情で何度も後ろを振り返っていた。
「Q、もう大丈夫よ!」
人も動物も表情が豊かだと一緒にいて楽しい。しかし新型コロナウィルスでマスクを付けているので人の表情が上手く読み取れない。マスクを外す日が早く訪れ、たくさんの笑顔を見ることができれば良いのだが。
「そう言えば、アベノマスクは一向に届かないな~」
ひょっとすると、届いてないのは僕だけなのかもしれない…。
written by ゴンザレス