「想像力」は人間にとって大切な能力だと考えている。「想像力」と聞くと空想の世界を想い浮かべることだと多くの人が考えるが、僕の言う「想像力」は相手を想う力も含まれる。「想像力」の「想」と言う字は「おもう」とも読み、「想う」とは相手のことを愛することや、大切にすることを意味している。だから僕は「想像力」が欠如した人はこの気持ちが薄いのだろうと思っている。
「想像力」を使うことで相手が不快に感じる恐れのある未来を想像し、事前にその不快なことを排除することで相手を喜ばせることができ、また過去を振り返って、その時の相手の言動を想像することで感謝することもできる。
だから仕事でもプライベートでも想像力を使って相手の真意や言動を事前に想像することや、自らの言動で相手がどう感じるのか想像することはとっても大切だ。
外部の制作プロダクションにいつも僕から怒鳴られる奴がいる。
「また修正しとらんやんか!いつも言いよろうが!」
そう僕が叱ると、彼はいつもと同じ返答をする。
「すいません。直ぐに修正します!」
「先回りして俺から指示されることを想像して事前に修正しとけよ!」
「はい」
彼はクリエイターなのだが、想像力は皆無だ。
先日、街に出掛け、ある店の前で僕は立ち止った。
その店のショーウィンドウに、以前、ある人から貰ったクリスマスプレゼントが飾ってあった。その瞬間、当時のその人の姿が頭に浮かんだ…。
その人は僕にクリスマスプレゼントを贈るため、12月の休日の寒空の下を何度も街に出掛け、何軒もの店を回りプレゼントを探し歩いたのだろう。そして、やっとこの店で僕が気に入りそうなプレゼントを見つけ購入した。そして満員電車の中をその人はプレゼントを大切に抱え、僕の喜ぶ顔を想像しただろう。
「ありがとう…」
「想像力」それは人を大切に想うこと。そして愛すること。
ジョン・レノンも歌にしている。
written by ゴンザレス