「本当にバカが多い」
以前、僕がそうこぼすと、
「バカが多いけん、お前は生きられるっちゃないと?皆がお前のようやったら、お前は今のように生きらんちゃないと?」
ある人にそう言われた。
その時はその言葉を聞き流したが、最近、その言葉が理解できるようになってきた。
仕事には多くの人が関わっており、いくら自分一人が効率よく完璧に仕事をこなしていても、多くの人の手を借りなければ仕事は完結することはできない。仕事に関わる多くの人はあまり考えることはなく、流れ作業のように指示された仕事だけをこなし、多くの人がオペレーターのように仕事をこなす。だったら仕事を進めるうえで、仕事に関わる多くの人が失敗しないような枠組みを作ることが大切なのだろう。世界には70憶もの人が生活しており、その全ての人が完璧に仕事をこなすのであれば、僕もその多くの人の一部で、何ら特徴もなく埋もれているだろう。
先日、ある町にふるさと納税の寄付をした。返礼品はお米10キロだったが、僕の元に届いたのはお米5キロだった。僕の勘違いかと寄付の履歴を確認したが間違っていなかった。
寄付をした町役場に問い合わせると、返礼品を送る農家の間違えだったそうで、直ぐに残りのお米を送ってくれるそうだ。
「一度に送られていれば、置く場所に困ったかも(バカだな~)」そう僕はやり過ごした。
また先日、車を購入しようと自動車販売店に書類を届けに行った。
「○○さん、いらっしゃいますか?」
「呼んでまいりますので、こちらにお座りになってお持ちください」
僕は担当の方が来るのを座って待っていたが、30分経っても来ないので、
「○○さんに僕が来たことは伝わっていますか?」
と尋ねると、
「外出先していまして、もう戻ってくると思います」
「えっ、外出…じゃ~この書類を渡しておいて下さい(バカだな~僕が店に入った時にそう言えよ)」
仕事でもプライベートでもバカなことが起こる度に、僕はこう思うようにしている。
「だから僕はこの世界で生きられる」
そう思うと少し気が楽になる。
written by モンコ