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人手不足のモノマネ企業
2017年11月17日

宅配業界や飲食業界などの時給が跳ね上がっている。お歳暮シーズンを迎え大手宅配会社は配達の人員が足りず、時給2,000円以上支払って人員を集めているという。また飲食店も忘年会シーズンを控え人手不足が深刻で、宅配業界同様に時給が跳ね上がっている。人件費はそもそも固定費の一部なので、固定費が嵩むと会社の経営は逼迫してしまう。

確かに少子高齢化は問題ではあるが、人手不足は社会の問題ではなく、経営側に問題があると思う。しっかり差別化され強みを持つ企業では人手不足はあまり耳にしないが、差別化されていない企業が人手不足で悩んでいる。
しかも差別化できていない企業は仮に消滅したとしても社会にインパクトは全くない。例えばある牛丼チェーン店が消滅しても消費者は全く困ることはなく、別の生き残った他の牛丼店に行けば事足りてしまう。宅配業界もまた差別化されておらず、品物を丁寧に決まった日に決められた場所に確実に届けてもらえさえすれば事足りる。差別化されていない企業は低価格だけを武器に差別化を図ることになるので、そこに人手不足で人件費が跳ね上がると、事業は立ち行かなくなってしまう。

多くの日本企業はモノマネ企業で、儲かっている企業の商品やサービスを直ぐに真似、そのカテゴリーに参入する。多少、商品やサービスに改良を加え、価格は低価格に設定し、広告の量で先行している企業を追随する。日本企業のモノマネは中国企業のやっていることとそう変わらない。中国企業と異なる点は著作権などのルールをきちんと守り、多少紳士的なところだけだろう。

日本は企業だけではなくタレントも同じように他人を真似ることで仕事をしているモノマネ芸人がいる。他人を真似ることで仕事になるわけで、冷静に考えると何とも不思議に感じてしまう。ちなみに海外ではモノマネやそっくりさんのタレント業だけでは生計を立てることはできないそうだ。

その点アメリカの企業は日本企業とは大きく異なる。アメリカの代表企業であるアップルやアマゾンは大きな社会イノベーション起こし、新しい商品やサービスを世に送り出している。給与や時給をいくら上げてもモノマネ企業はいずれ淘汰される運命をたどることになるだろう。

written by 彦之丞


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