今の時代はネットで簡単に商取引ができてしまう。
以前、株式売買は証券会社の店頭もしくは電話での注文だったが、現在はネットで簡単に株式の売買ができ、多くの人が利用している。
証券業界だけではなく銀行振り込みもネットで簡単に行え、通信販売もネットで注文することは当たり前の時代だ。このB to Cでの商取引はいずれB to Bである広告業界にも流れ込んでくるだろう。
ネット広告の取引は既にネットで行われているが、テレビ、新聞、雑誌などのメディアではまだ行われておらず、広告会社がメディアから広告スペースを仕入れ、広告営業マンがスポンサーである広告主に出向いて販売している。しかしネットでの取引ができるようになると、広告主はネットで広告スペースを注文するようになり、現在のネット証券での株式売買と同じ仕組みになるだろう。
大手の広告会社のサイトから日本中もしくは世界中の広告スペースが瞬時に注文でき売買ができる。素材もネットで搬入できるので短時間で全てが完結することになる。また大手広告会社のサイトには広告の到達率や認知率などのシミュレーションができ、広告主も簡単に広告投下した場合の予測を立てる事ができるだろう。
そして既存の広告会社ではないグーグルやアマゾンなどの異業種が参入してくることも考えられる。特にアマゾンは流通の川下を握っているので、彼らが本気になると強いだろう。また2023年に次世代の超高速無線通信「5世代」である「5G」を携帯電話大手が全国展開するようだが、そうなると全ての物がネットにつながったI o Tの時代が訪れる。多くの家電に広告が露出されるモニターなどが付いているかもしれない。
広告業界は全てのメディアをネットでの取引するようになり、また異業種参入による三つ巴戦が繰り広げられる。そうなると広告会社やメディアの営業マンは必要なくなり、今の3分の2以上の人員はカットされてしまうだろう。
今、広告業界の花形として活躍する優秀な営業マンは近い将来のことを考えているのだろうか…。その扉が開くのはもうすぐだ。
written by ベルハルト